会社を辞めたあとは健康保険・年金・失業保険・税金の手続きが続きます。どれが必要かは次の仕事がいつ始まるかや家族の状況で変わります。
この記事では佐世保市に住んでいる人に向けて退職後の手続きの順番と窓口をまとめます。
国民健康保険と国民年金の手続きは個別の記事で詳しく書いています。この記事は今の制度で手続きの全体をつかむためのまとめです。
※制度・期限・窓口は2026年11月6日に佐世保市・日本年金機構・協会けんぽ・厚生労働省・国税庁などの公式ページで確認しました。
退職後に必要な手続きの一覧(期限・窓口・書類)
退職の翌日から次の会社に入るまで間が空く人には主に次の手続きがあります。全員にすべてが必要なわけではありません。
健康保険(次の3つから1つを選ぶ)
国民健康保険に入る
- 期限:前の健康保険の資格を失った日(退職日の翌日)から14日以内
- 窓口:市役所1階2番窓口・各支所・行政センター
- 書類:資格を失ったことが分かる書類・マイナンバーが分かるもの・本人確認書類
任意継続を選ぶ(協会けんぽ)
- 期限:退職日の翌日から20日以内
- 窓口:協会けんぽの都道府県支部
- 書類:任意継続被保険者資格取得申出書
家族の健康保険の扶養に入る
- 期限:家族の勤め先に確認
- 窓口:家族の勤め先
- 書類:勤め先が指定する書類
年金
国民年金の第1号に切り替える(20歳以上60歳未満の人)
- 期限:退職日の翌日から14日以内
- 窓口:市役所1階の医療保険課年金係・各支所・宇久行政センター・マイナポータル
- 書類:基礎年金番号かマイナンバーが分かるもの
失業保険
雇用保険の基本手当を申し込む(受給の条件に当てはまる人)
- 期限:離職票が届いたら早めに(受け取れる期間は原則離職の翌日から1年)
- 窓口:ハローワーク佐世保
- 書類:離職票・マイナンバーが分かるもの・本人確認書類・写真・通帳など
税金
住民税
- 払い方:辞めた時期で変わる
- 確認するもの:市から届く納税通知書
所得税
- 年末調整を受けていない人:還付を受けられる場合がある(申告は翌年1月1日から)
- 窓口:税務署・e-Tax
- 書類:源泉徴収票
すぐ次の会社で健康保険と厚生年金に入る人の手続きは新しい会社で進みます。その場合は市役所での国保と国民年金の手続きは要りません。
会社から受け取る書類
退職後の手続きでは会社が出す書類を使います。辞める前に何がいつ届くかを会社に確かめておくと安心です。
健康保険の資格を失ったことが分かる書類
国民健康保険に入るときに使います。「健康保険資格喪失証明書」などの名前で会社が発行します。退職したあとに会社の総務などに頼んで送ってもらいます。
離職票(雇用保険被保険者離職票-1・-2)
失業保険の手続きに使います。離職したあとに届きます(受け取りに行く場合もあります)。
会社がハローワークに出す「離職証明書」には離職前に本人が名前を書きます。離職理由などの内容もこのときに確かめましょう。在職中に「雇用保険被保険者証」があるかも確かめておきます。
源泉徴収票
所得税の年末調整や確定申告に使います。同じ年に次の会社に入ったときは新しい会社に出します。
基礎年金番号が分かるもの
国民年金の手続きに使います。基礎年金番号通知書か年金手帳などです。マイナンバーでも手続きできます。
健康保険の選択と切り替え
会社を辞めると次の日に会社の健康保険の資格がなくなります。そのあとの健康保険は主に次の3つから選びます。
国民健康保険に入る
ほかの健康保険に入らない人が入ります。前の健康保険の資格を失った日から14日以内に市役所の窓口に届け出ます。
窓口は市役所1階の2番窓口(医療保険課)か各支所・行政センターです。保険税は前の年の所得などで決まります。
保険証の新しい発行は終わっています。手続きのあとに「資格確認書」か「資格情報のお知らせ」が郵送で届きます。
会社の健康保険を任意継続する(協会けんぽの場合)
退職日まで続けて2か月以上加入していた人が選べます。退職日の翌日から20日以内に協会けんぽの支部に申し出ます。20日目が土日祝日なら翌営業日までです。
加入できるのは2年間です。会社が払っていた分も自分で払うので保険料は退職前のおよそ2倍が目安です。
ただし保険料の計算に使う標準報酬月額には32万円の上限があります。退職前の給与が高かった人は2倍より低くなります。住む都道府県が退職前と変わった場合なども2倍にならないことがあります。
会社の健康保険組合に入っていた人は条件や保険料が違うことがあります。その組合に確かめてください。
家族の健康保険の扶養に入る
扶養に入れるかは年収だけでは決まりません。日本年金機構が示す基準では日本国内に住所があり主に家族の収入で生活していることが前提です。そのうえで収入の基準は次のとおりです。
- 年間収入の見込みが130万円未満(60歳以上か障害がある人は180万円未満。配偶者以外の19歳以上23歳未満の人は150万円未満)
- 同居の場合は原則として扶養する家族の収入の半分未満。別居の場合は家族からの仕送り額未満
同居で収入が家族の半分以上でも、家族の年収を上回らず家族が生計の中心と認められれば扶養になることがあります。
年間収入は過去の収入ではなくこれからの見込みで考えます。雇用保険の基本手当も収入に含まれます。雇用保険の基本手当以外に収入がない場合は日額3,611円以下が目安です。60歳以上の人や配偶者以外の19歳以上23歳未満の人などは基準の年収が違うので日額の目安も変わります。
基本手当を受け取り始めると扶養から外れることがあります。受け取る前に家族の勤め先や加入先の健康保険に確かめてください。
同居が必要かどうかも家族の続柄で変わります。手続きは家族の勤め先を通して行います。最終的に扶養に入れるかは家族が入っている健康保険(協会けんぽや健康保険組合)が認定します。
どれを選ぶか
保険料は人によって大きく違います。国保税の見込みは市役所の医療保険課に、任意継続の保険料は協会けんぽに問い合わせて比べると決めやすくなります。
倒産・解雇・雇い止めなどで辞めた人は国民健康保険税が軽くなる制度があります。申請が必要です。
国保の必要なもの・保険税・軽減の条件は次の記事で詳しく書いています。
→ 佐世保市役所で国民健康保険に切り替える方法|退職後の必要書類と期限
国民年金への切り替え
日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人で厚生年金に入っていない人は国民年金の第1号か第3号の被保険者になります。会社を辞めると厚生年金から抜けます。
20歳以上60歳未満で次の会社にしばらく入らない人や自営業になる人は第1号被保険者になる手続きをします。
- 期限:退職日の翌日から14日以内
- 窓口:市役所1階の医療保険課年金係・各支所・宇久行政センター(マイナポータルからも届け出られます)
- 持ち物:基礎年金番号かマイナンバーが分かるもの
厚生年金に入っている配偶者(第2号被保険者)に扶養される20歳以上60歳未満の人は第3号被保険者になります。第3号の人は保険料を自分で納める必要はありません。扶養に入れるかは配偶者の健康保険の基準で決まります(前の章を参照)。手続きは配偶者の勤め先を通して行います。
会社員のときに扶養していた20歳以上60歳未満の配偶者も第1号への切り替えが必要です。
60歳以上で辞めた人は第1号の手続きの対象ではありません。老齢基礎年金の受給資格期間が足りない人などは65歳になるまで任意加入できます。
令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の国民年金保険料は月17,920円です。払うのが難しいときは免除や納付猶予を申請できます。
会社を辞めた人には失業した本人の前年の所得を除いて審査する特例(失業等による特例免除)があります。ただし審査されるのは本人だけではありません。免除では配偶者と世帯主の所得も審査されます。納付猶予(50歳未満)では配偶者の所得も審査されます。配偶者や世帯主の所得によっては特例を使っても免除されないことがあります。
特例を受けるには離職票や雇用保険受給資格者証など失業したことが分かる書類が必要です。
退職日の翌日から次の会社に入るまで1日でも間が空くと手続きが必要になることがあります。迷ったら市役所の年金係に確かめましょう。
保険料・免除・納付猶予は次の記事で詳しく書いています。
→ 佐世保市役所で国民年金に切り替える方法|退職後の必要書類と保険料
失業保険の手続き
一般に「失業保険」と呼ばれるのは雇用保険の基本手当です。受け取れるかどうかの条件と受け取るまでの手続きは分けて考えます。
受け取れる人(受給の条件)
次の2つにどちらも当てはまる人が受け取れます。
- 就職したい気持ちといつでも働ける状態があるのに仕事が見つからない「失業の状態」にある
- 離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上ある(倒産・解雇などで辞めた特定受給資格者などは離職の日以前1年間に6か月以上でも可)
病気やけがですぐ働けない人やしばらく休むつもりの人は受け取れません。病気などで30日以上働けないときは受け取れる期間を延ばす申請ができます。
手続きの流れ
- 会社から離職票を受け取る
- ハローワーク佐世保で求職の申込みをして離職票を出す(受給資格の決定・離職理由の判定)
- 求職の申込みのあと7日間は支給されない(待期)
- 雇用保険受給者初回説明会に出る
- 原則4週間に1度の認定日にハローワークで失業の認定を受ける
- 認定日から通常5営業日で指定した口座に振り込まれる
基本手当を受けられる期間は原則として離職の翌日から1年間です。過ぎると給付日数が残っていても受け取れないので早めに手続きしましょう。
自己都合で辞めた人の給付制限
正当な理由のない自己都合で辞めた人は待期のあとに給付制限があります。退職日が2025年4月1日以降なら原則1か月です。
退職日からさかのぼって5年間に2回以上の自己都合退職で受給資格の決定を受けた人は3か月になります。2025年4月以降にリ・スキリングのための教育訓練などを受けると給付制限が解除される制度もあります。
必要なもの
- 雇用保険被保険者離職票(-1・-2)
- マイナンバーが分かるもの(マイナンバーカード・通知カード・マイナンバーの記載がある住民票のどれか)
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 写真2枚(縦3.0cm×横2.4cm)。マイナンバーカードを毎回見せる人は省略できます
- 本人名義の預金通帳かキャッシュカード
ハローワーク佐世保の場所と受付時間
- 住所:〒857-0851 佐世保市稲荷町2-30
- 電話:0956-34-8609(代表)
- 開庁時間:平日8時30分〜17時15分(土日祝日と12月29日〜1月3日は休み)
- 管轄:佐世保市(鹿町町・江迎町を除く)と北松浦郡
雇用保険の手続きは求職の申込みにも時間がかかるので16時前に行くよう案内されています。駐車場は混み合うため公共交通機関の利用が呼びかけられています。
ハローワークで受け取る雇用保険受給資格者証(または雇用保険受給資格通知)は国保税の軽減の申請にも使います。
住民税・所得税と確定申告
住民税は辞めた時期で払い方が変わる
住民税は前の年の所得にかかります。会社を辞めて収入がなくなっても請求は続きます。
会社員のときは給与から引かれていた住民税(特別徴収)が退職で引けなくなります。払い方は辞めた時期で変わります。
- 1月1日〜4月30日に辞めた人:残りの住民税は最後の給与か退職金からまとめて引かれます(給与などが残りの税額より少ないときを除く)
- それ以外の時期に辞めた人など:引ききれなかった分は市から届く納税通知書(普通徴収)で自分で払います
自分がどちらになるかは辞める前に会社に確かめておくと安心です。
所得税:確定申告が必要な人と還付を受けられる人
確定申告が「必要な人」と申告すれば「還付を受けられる人」は別です。
たとえば給与と退職所得以外の所得の合計が20万円を超える人などは確定申告が必要です。ほかにも条件があります(国税庁のNo.1900)。
年の途中で辞めて年末調整を受けていない人は所得税を納めすぎていることがあります。その場合は確定申告(還付申告)をすると納めすぎた分が戻ります。
- 還付申告は翌年1月1日から5年間できます
- 源泉徴収票の源泉徴収税額が0円の人は申告しても還付はありません
- 同じ年に次の会社に入って年末まで働く人は前の会社の源泉徴収票を新しい会社に出します。新しい会社の年末調整で精算されます
佐世保市での手続きに関するよくある質問
- Q. 国民健康保険と国民年金は同じ日に手続きできますか? A. どちらも市役所1階の医療保険課が窓口なので同じ日に回れます。国保は2番窓口(給付係)で、年金は年金係です。
- Q. 支所でも手続きできますか? A. 国民健康保険と国民年金は各支所・行政センターでも届け出られます。国民年金の窓口は各支所と宇久行政センターです。失業保険の手続きはハローワーク佐世保です。
- Q. 14日を過ぎてしまいました。 A. できるだけ早く手続きしてください。国保税は国民健康保険の資格を得た月までさかのぼって計算されます。国民年金の加入も退職日の翌日にさかのぼります。
- Q. 市役所の受付時間は? A. 平日の8時30分から17時15分までです(2026年11月現在)。佐世保市は2027年1月4日から6か月間、本庁舎の窓口の受付時間を9時から16時30分にする試行を予定しています。行く前に市のページで確かめてください。
- Q. 車で市役所に行けますか? A. 市役所の隣にある市営の高砂駐車場が使えます。手続きをした窓口に駐車券を出すと無料券がもらえます。
まとめ
- 健康保険は国保・任意継続・家族の扶養から選ぶ。国保は資格を失った日から14日以内・任意継続は退職日の翌日から20日以内
- 20歳以上60歳未満で次の会社にしばらく入らない人は退職日の翌日から14日以内に国民年金の第1号に切り替える
- 失業保険は離職票が届いたらハローワーク佐世保へ。受け取れる期間は原則離職の翌日から1年
- 住民税は辞めた時期で払い方が変わる。年末調整を受けていない人は還付を受けられる場合がある
ワーホリや留学で海外に行く人・帰ってきた人はこちらも参考にしてください。
公式ページ(2026年11月6日に確認)
- 国民健康保険の届出は事実の発生した日から14日以内に|佐世保市
- 非自発的離職者に対して国民健康保険税が軽減されます|佐世保市
- 給与所得に係る特別徴収|佐世保市
- 【試行実施】市役所本庁舎などの窓口受付時間を変更します|佐世保市
- 任意継続|協会けんぽ
- 会社を退職したときの国民年金の手続き|日本年金機構
- 国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
- 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
- 従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が家族を被扶養者にするとき、被扶養者に異動があったときの手続き|日本年金機構
- 19歳以上23歳未満の方の被扶養者認定における年間収入要件が変わります|日本年金機構
- 基本手当について|ハローワークインターネットサービス
- 雇用保険の具体的な手続き|ハローワークインターネットサービス
- 令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます|厚生労働省
- ハローワークさせぼ(所在地・アクセス)|長崎労働局
- No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人|国税庁
- No.2030 還付申告|国税庁
- No.2674 中途就職者の年末調整|国税庁